私たちの皮膚の表面には「角質層」と呼ばれる0.02mmの薄い膜があり、「バリア機能」という外的刺激から肌を守る機能を持っています。
何らかの要因でこの機能が低下してしまい、ちょっとした刺激で乾燥やかゆみ、赤み、ピリつき、吹き出物などの症状を引き起こしてしまう状態を「敏感肌」といいます。
元々の体質・肌質から敏感肌となってしまっているケースもありますが、ストレスや花粉、PM2.5など、様々な外的要因で肌の状態は影響を受けやすいため、現代社会においてはちょっとしたきっかけで誰でも敏感肌になりやすいと言われています。
普段はどちらかというとオイリー肌なのに、突然肌の一部だけ乾燥が気になりだした…なんてことがある方、もしかすると実は敏感肌になっているかもしれません。
敏感肌には3つのタイプがある
様々な症状のある「敏感肌」ですが、大きくカテゴライズすると下記の3つのタイプに分けられます。
乾燥タイプの敏感肌
肌が乾燥しカサカサになってしまうことで、肌が本来持っていたバリア機能が低下してしまい、かゆみ・ピリつき・赤みなどを引き起こしてしまうタイプ。
肌にうるおいを与え、本来持っていたバリア機能を取り戻してあげることが必要です。
オイリータイプの敏感肌
皮膚の皮脂分泌がうまくいかず、ニキビや吹き出物などができやすくなってしまうタイプ。
このタイプは肌の乾燥を感じづらいことが多いですが、実は肌が乾燥していて、その乾燥を補うために皮脂が過剰分泌してしまっていることがトラブルの原因です。
乾燥タイプ同様に、肌にうるおいを与えていくことで症状改善が期待できます。
ゆらぎタイプの敏感肌
季節の変わり目・生理前後などに、突然乾燥やニキビなどのトラブルに見舞われるタイプ。
いまの自分の肌は乾燥タイプ寄りか、もしくはオイリータイプ寄りか…その時の肌の状態の変化に合わせて、柔軟にスキンケア・コスメを使い分けていくことが必要です。
まずは、自分の肌の状態はどのタイプに近いのかをしっかりと把握して、必要なケアを考えていきましょう。
普段の生活にも敏感肌の原因が?

敏感肌を引き起こしてしまう原因は、実は普段何気なくやっている生活習慣に潜んでいる可能性も。
肌トラブルを解決するために、まずは自分自身の生活に何か原因はないか、振り返ってみましょう。
睡眠・食事を見直す

しっかりとした睡眠と、バランスのとれた食事は取れていますか?睡眠不足・栄養不足は肌の生まれ変わり「ターンオーバー」を阻害する要因に。
ターンオーバーがうまくいかないとバリア機能が低下し、ちょっとした外的刺激に反応しやすい状態を招いてしまいます。
ついつい夜更かしをしてしまう方や偏食気味の方は、その生活習慣が肌のトラブルに繋がっている可能性も高そうです。
毎日の食事で、タンパク質・ビタミン・ミネラルなどの肌のターンオーバーに必要な栄養を摂取するように心がけましょう。
新しいコスメ使用時には、肌の変化をチェックしておく

もし、最近新しく使い始めたスキンケアやメイク用品などがある場合は、単純にそれが肌に合っていなかったという可能性も。
いつもと違うケアをしたタイミングで肌の異変を感じた場合はすぐに使用をやめ、これまで通りのお手入れに一度戻すようにしましょう。
新しいコスメを使うときには、使用前と使用後の変化がわかるように自分の顔を写真に撮っておくのもおすすめです。
肌への刺激を減らす

弱っている状態の肌に、強い刺激は厳禁。
特にオイリ―タイプの場合、毛穴をすっきりさせるスクラブ入りの洗顔料やピーリングを愛用している方も多いですが、必要以上に肌表面の油分を奪う・もしくは傷つけてしまい、肌のバリア機能低下を招いている可能性も。
洗顔料はしっかり泡立てる(肌と手のひらの間に泡の膜を作ってあげることで、肌への負担を減らします)、洗顔後の肌はタオルで軽く押さえるように拭く(タオルでごしごし擦らないようにしましょう)など、肌を労わるようにやさしくケアしてあげることが大切です。
スクラブやピーリングについてはしばらく使用を控えて、肌の様子を見ながら1~2週間に1回程度の頻度に抑えるようにしましょう。
その他にも、就寝時に髪を結んで顔に髪が当たらないようにする、うつ伏せで寝ないようにするなども、肌トラブル軽減に効果的です。
湯船に入る

お風呂に入る際、湯船に入らず、ついついシャワーだけで済ませてしまっていませんか?湯船に入って身体を温めることは、肌にとっては良いことづくし。
リラックス・ストレス軽減効果があるのはもちろん、詰まっていた毛穴が開いて皮脂バランスが整う・血行が良くなり肌のターンオーバーが活性化するなどの効果もあると言われています。
湯船に入らない=敏感肌を招く、というわけではありませんが、肌の調子を整えるチャンスを失っている、とは言えそうです。
敏感肌かな?と思ったら、極力湯船にゆっくり浸かる生活を心がけてみましょう。
敏感肌タイプ別・おすすめスキンケア法&コスメ
せっかく話題の新商品を使ってみたのに、肌に合わなかった…というような経験が、おそらくたくさんある敏感肌さん。
バリア機能の低下で肌が弱ってしまっている分、特にスキンケアは丁寧に選んでいくことが必要です。スキンケアに配合されている成分に注目して、自分の肌タイプにあったものを選ぶようにしましょう。
乾燥タイプにはセラミド配合コスメがおすすめ
肌にうるおいを与える「セラミド」が含まれるスキンケアがオススメ。
角質層内の細胞同士の結びつきを強め、水分を閉じ込める「セラミド」配合のスキンケアを取り入れることで、肌表面の荒れを直して外的刺激に負けない強い肌を作ります。
おすすめスキンケア化粧水
ディセンシア
「アヤナス ローション コンセントレート」
5,500円(税別) 125ml

●おすすめポイント
・乾燥肌|敏感肌向け
・ヒト型セラミド配合
・CVアルギネート配合
人間が持つセラミドと同じ構造の「ヒト型セラミド」をナノカプセル化した保湿成分が配合。
手に出した時はとろみのあるテクスチャーですが、肌につけるとみずみずしく変化し、すっきり使える使用感も人気の化粧水です。
肌ケアを長年研究してきたポーラ・オルビスグループの作った商品で、様々なコスメランキングなどでも上位にランクインしている点も信頼のおける1本です。
オイリータイプもセラミド配合スキンケアコスメが◎
乾燥タイプ同様に、保湿成分「セラミド」配合のスキンケアで水分量と皮脂分泌のバランスを整えていきましょう。
加えて、炎症を抑えてくれる成分や皮脂をコントロールする成分も配合した商品を選ぶと、気になるニキビケアなどにも効果的です。
セラミドを配合している化粧水・美容液のおすすめアイテムはこちら。
花王
キュレル 皮脂トラブルケア 化粧水【医薬部外品】
1,800円(税別) 150ml

●おすすめポイント
・敏感肌 | 脂性肌向け
・保湿&ニキビケア
・オイルフリー
敏感肌専門ブランド「キュレル」が展開する皮脂トラブルに特化した化粧水。
セラミドとユーカリエキス配合で肌にうるおいを与えつつ、炎症や皮脂を抑える成分も含まれているため、保湿+ニキビケアの両立が可能です。
オイルフリーですっきりとした使用感のため、ベタつきも気になりません。普段、肌の油分が多く気になる方にオススメ。
ゆらぎタイプは、セラミド&ヒアルロン酸配合がおすすめ
バリア機能を高める「セラミド」配合のものはもちろん、どんな状態の肌にも優しく使える「ヒアルロン酸」配合のスキンケアもオススメ。(セラミドは皮膚のいちばん外側「角質層」に効く成分で、ヒアルロン酸は更に奥にある「真皮」に効く成分です。)
また、普段使用しているスキンケア・メイクの中で香料やアルコール分の含まれるものがある場合は使用を控え、シンプルな配合のものに切り替えて肌の様子を見てあげましょう。
アクセーヌ
アクセーヌ AD コントロール エッセンス
7,700円(税別) 25ml

●おすすめポイント
・敏感肌向け
・ヒアルロン酸配合
ヒアルロン酸を肌負担にならない限界まで配合したという、肌をみずみずしくふっくらさせてくれる美容液。
無香料・無着色・界面活性剤フリー・防腐剤フリー・アルコールフリーと、余計なものをそぎ落として肌に良い成分だけを詰め込んでいるので、少し肌の調整を見たい時・休めたい時に特にオススメです。
上記でご紹介した商品は、いずれも少量で試せるトライアルセットが販売中。まずは数日間試してみて、自分の肌との相性や肌の変化を見てみるのはいかがでしょうか。
敏感肌さんにオススメファンデーション
肌が荒れると、ついついカバー力の高いファンデーションを選びたくなってしまうものですが、無理に隠そうとすると逆に症状を悪化させてしまうことも。
敏感肌の方がファンデーションを選ぶ時は、なるべく肌への負担が軽いものを選び、肌ストレスを軽減させてあげましょう。
「石鹸で落ちるもの」「添加物が入っていないもの」を選ぶと、肌に優しいものが見つかりやすくてオススメです。
おすすめリキッドファンデーション
ナチュラグラッセ
ナチュラグラッセ ウォータリーファンデーションN
3,800円 30ml

●おすすめポイント
・敏感肌向け
・軽い使用感
・ブルーライトカット
・石鹸でメイクオフ可能
みずみずしくて軽い使用感。薄く均一に伸びるので、素肌感を残しながらナチュラルなツヤ感のある肌を作ることができます。
界面活性剤・合成香料・シリコンなどの添加物も入っておらず、もちろん石鹸で簡単にメイクオフ可能。さらにブルーライトをカットしてくれるといううれしい機能も。スキンケア感覚で使えるファンデーションです。
おすすめパウダーファンデーション
マットスムースミネラルファンデーション
ETVOS
3,000円 4g

●おすすめポイント
・ミネラルファンデ
・なめらか肌に演出できる
・長時間くすみにくい
高保湿のきめ細かなパウダーが密着し、セミマットでなめらかな肌作りが可能。軽やかな使用感なので、肌荒れが気になる箇所にもやさしく使うことができます。
皮脂を含んでも変色しづらい天然ミネラル成分を配合しており、時間が経ってもくすみづらいきれいな肌が続くのも特徴。こちらももちろん石鹸でメイクオフ可能です。
おすすめクッションファンデーション
MiMC
MiMC ミネラルリキッドリーファンデーション SPF22 PA++
6,500円(税別) 13g

●おすすめポイント
・リフィル&ケースセット
植物由来の天然成分をふんだんに配合した美容液ファンデーション。肌にのせると空気・肌の温度に反応してゆっくりと溶けるように広がるので、薄づきでナチュラルなツヤ感のある肌に仕上がります。
ファンデーションの鮮度を保つため、空気の入らない形状のケースを採用しており、ファンデーションが酸化せずいつでも鮮度の高い状態で使うことができるのもうれしいポイントです。
まとめ
ドラックストアやデパートに並んでいるスキンケアやコスメたちは、実は品質を保持するための添加物が含まれていたり、仕上がりはきれいでも肌への負担が大きくなってしまうものも。
敏感肌の方は、その商品に含まれているもの・含まれていないものなどを意識して少し細かく見てあげると、自分の肌にあったベストなものを選びやすくなるかと思います。
自分のお肌の状態に合わせた生活を送り、アイテムを選ぶことで、トラブルの無い健やかな肌を目指していきたいですね。
・特にビタミン&ミネラル不足に気をつける
・タンパク質ばかりを摂取するのではなくビタミン&ミネラルも摂る